差別とは何か①

ものを書いている人間が常に気をつかっていなければならない問題。
それは「書いたものが差別にならないか」ということだ。
「差別」とは何か?
「違いを理由として、相手に不利益を被らせること」だと私は思う。
それには命を奪われるようなことはもとより、
就職差別や結婚差別のように実際に不利益が発する
こともあれば、精神的な苦痛も含まれる。
よく話題になるのが、障害者への差別。
私の障害者への理解はこうだ。
たとえば、身体的な障害のある場合、その差は単なる濃淡だと思う。
健常者は障害者に対して、違う人種のように感じている。
自分はこっち側であり、相手はあっち側である。
その間にはっきりした壁をつくって区別している。
ところが、よく考えてみると、私たちも最後は障害者になる。
難聴者のことをろう者というが、歳を取ると聴覚機能が衰える。
最終的にはろう者と同じようなレベルになる場合もあるだろう。
健常者と障害者は別の世界の住人ではなく、
地続きの同じ世界に住む住人なのだ。
障害は程度問題に過ぎないと考える。
障害を「個性」という人もいる。
でも「個性」というのはポジティブな側面だけをいう。
障害があることは、不便には違いない。
不便であるから「個性」ではない。
「個性」よりも「特徴」のほうが私にはしっくりくる。