スミザーさんの言葉

NHK「仕事の流儀」でポール・スミザーさんという
日本でガーデンデザイナーをしているイギリス人が取り上げられていた。
スミザーさんは日本の自然の豊かさに魅せられ、
日本で庭園設計の仕事を始めた。
彼の言葉に印象的なものがあった。
「居場所があれば生きていける」
なんのことはない言葉だ。
でも、彼はいう。
「日当たりのいい場所を好む植物もあれば、日陰を好むのもいる。
植物と話ができたら聞くと思う。君はいったいどこがいいんだいって」
自然の植生では、日当たりのいい場所を好む植物は日当たりのいい
ところに自生する。逆に日陰を好む植物は日陰に自生する。
でも、人間が植えるときには場所を間違えることもある。
すると、元気はなくなり、最悪の場合、枯死する。
人間も同じであるような気がする。
悪いのは場所なのであって、人ではない。
居場所がないから、自分の花を咲かせられない。
居場所があれば、生きていける。
悪いのは場所であって、人間のほうではない。
スミザーさんは植物の話を通して、「あなたはいいんだよ」と
言っているのかもしれない。