上岡竜太郎の慧眼

上岡龍太郎氏のような教養を背景にして笑いをとるような
人はこれからも出てこないかもしれないね。
25年も前に彼はこんな意味のことを言っている。
「いま田舎暮らしする人いるでしょ。それって、青い鳥を探して
都会に行ってみたけど、都会にはおらんかったもんで、
気づいたらもといた、自分が育った家におったっちゅうてね」
いま田舎暮らしする人のことをそういう目で見ている人はいるが、
25年も前にこんなことを言った人はいなかったんではないか。
他にもこんなことを言っている。
「前から人は都市におったのに、人口が増えすぎたもんで、
ニュータウンつくるでしょ。そこには道路を走らせて、電気水道通して、
公民館つくって、学校つくて、役所つくって、とやるでしょ。
そのニュータウンにいっせいに入って、一斉に廃れていくわけでしょ。
で、そこに入れ替わって人が住むかというと、住まずに、
人は別のニュータウンに住むようになるわけでしょ。
そこでまた道路を走らせて、電気水道通して、公民館つくって…ってやる。
無駄やと思わへん?」
ええ、本当に無駄だと思います!
いまの空き家問題のことを25年前に指摘しているんだよね、すごいな!
慧眼とはこのことを言うのだね。
こういうことをいえる人は、今はもういない。
テレビがつまらないのはそのへんにもあるね。