都会人に売りつけろ

以前、何を目的に見ていたのか忘れたが、
農業体験ができる宿について、田舎の人が
「え、金払って働かされるん? そんなん誰がやんの?」
と書き込んでいた。
農村の人からすると、農業体験というのは労働でしかないが、
都市の人からするとレジャーなのだ。
だから、農業体験できる宿は都市の人に受け入れられる。
2次産業、3次産業に従事し、車と電車を使ってしか移動しない
都市住民は、およそ人間らしさからかけ離れた生活しているので、
自分の体をつくっている食べ物や水がどこから来ているか知らない。
だから、農漁村の人にとって当たり前の光景が新鮮になる。
嘘か誠かわからないが、魚は「さく」で海を泳いでいる
と思っていた子どもの話があったが、大人も同じようなもので、
もはや魚にウロコがあることも忘れかけているのではないか。
田舎の人にはわからない、都会の人のおかしさがある。
田舎の人は、そういうことを知った上で、都会の人に
人間らしい生活とはどういうことを言うのか、教えてあげればいいし、
身の回りにあるものを高い値段で都市住民に売りつければいい。
おいしい水や土の香りのする野菜を都市住民は、
必要以上にありがたがって買ってくれるからね。
そんなことを田舎と都会の中間にある八王子の隅で思う。