夏と戦争

夏は戦争の話題が多くなる。
出版物も夏は戦争もの、宗教ものが売れるのだそうだ。
いわゆる戦争物は、特にテレビはほとんど見ませんね。
戦争の一面をことさら悲劇的に扱ったりとか、
イデオロギー的な面ばかり強調したりとか、
悲しい話だけを取り上げるからだ。
見ていても、ただつらい思いにしかならない。
その点、映画や本は、冷静にとらえていて、
考えさせてくれるものがある。
たとえば、「フォッグ・オブ・ウォー」では、太平洋戦争で従軍し、
冷戦時代、ベトナム戦争時代に国防長官だったマクナマラ氏が
当時を述懐する映画だ。
霧の中で見たいものを見て、
「だから戦争をすべきなんだ」と主張する。
戦争の中では判断力や理解力には限界がある。
そういう中で、都合のよい選択をしようとすることの
危うさを、マクナマラ氏が語っている。
単に「戦争って残酷なことになるよね、悲しいからやめようね」
じゃなく、なんで分別のある大人たちが戦争に突き進んでいったか
を考えさせてくれるような作品を見たり、読んでみたい。
その意味でいえば、話題の「風立ちぬ」も早めに見てみたい作品だ。