お盆といえば

8月15日といえば、日本ではお盆で、終戦の日とされている。
太平洋戦争について述懐し、死者の霊を弔う日だ。
お盆の概念を幼稚園の年長の長女に説明しようとして困った。
「死んだ人の霊魂が、この時期になると帰ってくるので、
それをお迎えして、先祖の霊を祀るんだよ」
というが、長女はわかったようなわからないような顔をする。
まず「霊」がよくわからない。
幽霊なら怖いものとして認識しているが、
それとは違うものなのかどうか。
また、「祀る」と「祭り」はどう違うのかもよくわからない。
実際、大人でもここらへんのことはよくわからない。
でも、わかる必要はないとも思う。
盆というのは、頭で理解するものではなく、経験で理解するものだ。
火を灯して供物を与え、お墓参りすることが、経験になる。
自分が墓参りしていなければ、子どもは墓参りしなければならない
と感じるようにはならないだろう。
子どもが墓を守ってくれなければ、墓はそのまま風雨にさらされ、
長い年月を経れば、そこらの石ころと同じになる。
お盆は祖父母や親戚と会う日ではなく、先祖崇拝という
古来、日本人がずっと守ってきた風習なのだということを
身をもって体験する必要がある。
今は子どもが小さく難しいが、少し大きくなったら、
そういうお盆の過ごし方も経験してほしいと思う。