そんな話だったの? アリババ編

子どもと「まんが世界昔ばなし」というのを見ていて、
初めて「アリババと40人の盗賊」のちゃんと知った。
改めてちゃんとストーリーを知ると、
こんな話だったんかと驚く。
この話の中では、アリババは盗賊のお宝を全部自分のものに
してしまうわけだけど、別の話では、アリババは民衆にお宝を分けたりする。
お宝はもともと民衆が奪われたものだったから、というわけ。
そういえば、桃太郎も鬼から奪還した金銀財宝を自分のものにしちゃう。
今の時代なら、みんなそこそこ豊かなので、
みんなが豊かになる話が好まれるよね。
でも昔はみんな貧しかったから、一攫千金のストーリーが
好まれたんだと思う。それが今の時代の道徳に照らし合わせて
ちょっとひっかかるところがあってもそれでよかったんだよね。
後世になってさまざまな改変が加えられるわけだけど、
ぼくらがいう「原典」もあやしいもので、
どこが出発点かはよくわからない場合が多い。
実は、原典はどうでもよくって、どの時代にどういう話が好まれたか
ということが重要だと思う。
「アリババ」が収められている「千夜一夜物語」の中では、
ランプの精に願いを叶えてもらうアラジンのほうが受け入れられるのは、
ディズニーだけのせいじゃないと思うのです。