ネコは外来種だから駆除すべきか①

テレ東系列で「池の水をぜんぶ抜く」という番組をやっている。
毎度、テレ東の企画力には感心させられる。
これって「お宝鑑定団」と一緒だよね。
池の水を抜いたらお宝、つまり希少な生物が出てくるんじゃないか
ということでしょう。
考えてみたら、「あなたの家についていっていいですか?」も
素人の中にお宝が眠っているんじゃないかという発想だね。
で、発想としては「池の水をぜんぶ抜く」はおもしろいのだが、
ひとつ気になることがある。
それは、「外来種を駆除する」ことが池の水を抜く目的になっている
ように見えることである。
池の中を掃除したり、どんな生物がいるかを観察したりするという
のならいいのだが、外来種をやっかいものとして根絶やしにする
目的ならば、ちょっと待てと思う。
そもそもこの外来種駆除の考え方はかなり危険だ。
日本において、外来種
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
という法律については、明治時代以降に入ってきた外来生物
対象しているようだ。
だが、これは学術的にはあまり意味がなくてこの法律上だけのこと
のようなのだ。
そもそも外来種が「悪」なのは、生態系を乱すからというのがお題目だろう。
しかし、「乱す」といったとき、正常な状態と異常な状態というのを
決めないと、「乱す」とは言えない。
では、「正常な状態」とはいったいどういう状況を指すのだろうか。
そして、その状態とはいつの時代のことを指すのだろうか。
こういうことを考えないと、外来種を定義することができないし、
駆除することはかえって生物多様性を損なうことになる。
何より、食べるためでもないのに生物を無駄に殺すことになる。
ネコも外来種なのだから、駆除すべきという話になってしまう。
これについては次の記事でもっと考えてみたい。