ブータン王の来日とGNH

ブータンのワンチョク国王夫妻が来日していた。
ブータンといえば、GNHを高めることを国の目標としていることで
有名で、思想面で先進国に影響を与えている国である。
ブータンについては、GNHをテーマとして、5年ほど前に
本の企画を考えたことがあり、関係者にも話を聞いたが、
実現しなかった。
先進国はGDPに代わる国家としての成長の指標を模索している。
GDPだけを追い求めていても、国民が幸せになるわけではないことに
やっと気付いたのだ。
なぜか?
ブータンに行ったことのある人はこういった。
「GDPと幸せは比例しないのです。なぜなら、病気になって治療を
受けたり、ホームセキュリティの会社と契約したりしてもGDPは
増えるからです」
でも、「幸福」を指標にすると、国がどんなサービスをすればいいか
わからないという。幸福は人それぞれ違うからだというのだ。
ならばまず、人々の不安を取り除くことからやればいい。
老後の不安だったり、病気になったときの不安だったり、
安全に暮らせることの不安だったり。
とはいえ、そんなブータンもちょっとずつ変わってきているらしい。
旧来生活の質的変化が起こっていて、欧米式の物質文化が
徐々に浸透しているというのだ。
そんなブータンのちょっと前の姿が見える映画がある。
「ザ・カップ/夢のアンテナ」
サッカーワールドカップをどうしても
見たかった僧侶見習い少年の話である。
ブータンに興味をもった方なら楽しめると思います。