伝わってます

釜石では写真をほとんど撮らなかった。
撮る気力がわかなかった。
そこには人々が暮らした家があり、仕事をした会社があり、その人たちの
思い出に刻み込まれている故郷の風景があったのだと想像したとき、
惨状をデジタルデータに落とすことの意味を見いだせなかった。
それに、私が撮らなくても他の人がたくさん撮っているし、
出版物でもネットでもいくらでも被災地の様子を見られる。
企業がHP上にまるで免罪符のように掲げる
お悔みの言葉も、空々しいから私は述べない。
被災者に元気出してなんて言えない。元気なんか出るわけない。
ただし、自衛隊やボランティアなど、支援をしている被災しなかった
元気な人たちには、がんばってくださいと言いたい。


ケータイで一枚だけ撮った写真があります。
これは岩手県の遠野で撮った写真です。



こうした横断幕と同様のものがいくつもあった。
あなたたちの流した汗や気持ちは、確実に伝わってます。