著作権のおもしろ話1 

著作権のおもしろい話をしよう。

以前、料理写真をたくさん載せた本をつくったときのこと。

このときは、すでにある写真を二次使用させてもらうことになった。

写真はカメラマンが著作権者なので、

各写真を撮ったカメラマンに許可を取った。

それとは別に料理をつくった料理家にも連絡を取った。

断る必要は、本来はないのだが、

義理立てしたわけだった。

「写真はカメラマンに著作権があるのですが、

料理をつくってくださった方々にもご連絡しています」

というのを、各料理家に連絡していった。

7,8人連絡を取って、1名を除いて快諾してくれた。

しかし、ある一人の中高年の女性料理家だけはダメだった。

「ギャラは発生しないが、許可をもらいたい」と話したら、

「これ、私が拒否したらどうなるんですか」という。

「拒否しても写真を使うことはできるのですが、

私たちとしてはそれはやりたくない。

料理研究家の方々にも快く賛同してもらって本をつくりたい」

とお伝えしたところ、

「では、拒否します」

と無慈悲にも断られてしまった。

了見が狭いなあと苦笑してしまった思い出がある。

料理研究家というのは、けっこう儲かるみたいで、

すんごい豪邸に住んでいる人もいますよね。

料理をつくったときにギャラは発生しているので、

二次使用できるものを生み出している写真家に

お金が発生するように、許可してあげたらいいのにと思う。

それが悔しいなら、著作権が発生するものをつくったらいい。

レシピ本とかね。

料理に限らず、花を使ったアート作品を写真に撮っても、

作品には著作権は発生しない。

絵画とか書もそうですよね。

ただ、絵画とか書の場合は、

写真に撮ること自体が規制されているはずだ。

写真というのは、シャッターを切るだけの行為だが、

そこにはシャッタースピードとか、露出とか、

構図とかアングルとかを、緻密に計算された

フォトグラファーたちの技術が詰まっている。

そういうのにリスペクトがあるなら、

あの料理研究家も許可せざるを得ないだろうにね。