被災地に行ってみて

10日で岩手取材を含む10本の記事の執筆が
終わって、やっと一息ついた。
出版、マスコミ関係の末席に名を連ねるものとして一度は被災地に
行かねばならないと思っていたが、その通りになった。
釜石では津波が町をさらったが、一度だけでなく、2波、3波と
押し寄せたという。
取材した人は、実家と自宅と職場すべてを失ったという。
一度の波で水かさが増し、その水が引かないうちに次の波が押し寄せた。
だから、一度に15メートルの波が来たわけではないわけだ。
当地では学校の校舎の3階部分に車が刺さっていたという。
その波が引くときに、人や家や車を飲みこみ、海に放り出した。
いまも被災地の海に何千という遺体が沈んでいるという。
地面が陥没したから、水がひかない場所もある。
日本地図を書き変えなければならなくなるかもしれないらしい。
いくら書いても書ききれない。
自然の脅威を感じざるをえないが、自然は誰の味方でも敵でもない。
自然はただそこにあるだけでなく、生きていることをときどき災害に
よって気付かされる。
時間が経ったら、今回の出来事で、何が天災で、何が人災だったのか
考えてみたいと思う。
そうしないと、自分のなかでいつまでもこのことが
消化できそうにないから。