それぞれの価値

なんの理由でか、インターネットの掲示板を見ていたとき、
農家で職業体験宿泊の話題が語られていた。
なかなかおもしろいやりとりだった。
1泊2日2食付きで、収穫の手伝いをして8000円とかいう内容だった。
知っている人ならわかるが、8000円というのは、
収穫作業を手伝う人が貰えるのではなく、払うお金のことだ。
ネットの住人たちは、そのことが理解できないらしく、
「はあ? 働かされて金払うの?」
「そんなのに8000円も払う奴いるの?」
というのである。
彼らには「ボランティアツアー」なるものも理解できまい。
いま、体験型の旅行は流行りである。
農家の手伝いなどは、グリーンツーリズムなどと呼ばれて、
都市住民に人気なのである。
実体験が欠けているのは都会の子どもたちだけでなく、
都会の大人たちもそうなのだ。
多くの人がパソコンで仕事をするようになった。
そのおかげで体を酷使することはなくなったが、
今度は体を使う仕事もたまにしてみたくなるわけだ。
田舎暮らしにあこがれる都市住民にとって都会では得られない体験だろう。
価値というのは人それぞれで、確かに一昔前なら
「そんなことに金払うやついるかな」というようなことでも
立派にビジネスになっていたりする。
既成概念を取っ払って、時代に即したビジネスをしないといけませんね。