同じ話をする人々

同じ話を何度もする人っていますよね。
先日も酒の席で友人らがやっていた。
酔いが進むと必ず同じ話をする。
私はそこまで酔っ払うことがないから
なぜ同じ話を何度もするのかわからない。
「その話、もう7回ぐらい聞いたよ」と
苦言を呈しておいたのだが、
「楽しい話題ってなると、ああいうのしかないじゃない」と友人はいう。
一方、自宅では細君からよくこう言われるのに気づいた。


「それ、前も言ってたよ」


そうなのだ。私も同じ話を何度もしているのだ。
冒頭の友人らは自覚症状がある。
だが、私にはない。


それどころか、


「それ、あたしが言ったじゃない!」


ということさえある。
誰に何を話したか覚えていない。
だから最近は、「これ前に話したっけ?」「これ君から聞いたんだっけ?」
と確認するようになってしまった。
こっちは酔ってないのにこれだ。
彼らの症状と私の症状はどこか似ているような気がする。
彼らはその話をすること自体が楽しいから話す。
私の場合は、相手がどうであれ、自分が話したいことを話す。
「この場ではこういう話をしたほうがいいんじゃないか」というより、
自分が話して自分で納得したいから話す。
どっちも聞き手不在なのである。
彼らのほうが自覚しているだけマシである。
私がそうなったのはいつからか・・・
たぶん、20代の後半からそうであったように思う。
自分だって、自分のためだけにしゃべっていたのだ。
「人からよく思われたい」
「人からいい人だと思われたい」
「人からかしこいと思われたい」
どこかにそういう気持ちがあるから聞き手不在になってしまうのだ。
今後は自覚して、「前も言ってたよ」と言われないようにしよう。
そして、「同じ話をする人々」をあたたかく見守ることにしよう。