人見知りなおっさん

「誰か知ってる人いるかなあ・・・」


そういう雰囲気がありありと感じられることがある。
同窓会の情報が回ってきて、右から左にそれを流していると、
こういうことを言う人がいるのだ。
私は「女子中学生じゃないんだから……」と思っていつもゲンナリする。
同窓会なんだから、親しく話したことがなくても
ちょっとくらい顔を出したらいいのにと思う。
何も話すことがなかったら、仕事の話か、結婚、子どもの話をしたらいい。
それでも話すことがなかったら、体の不具合について話せばいい。
35歳にもなったら、持病のひとつやふたつはあろう。
なるほど、「初対面の人ととぎれずに話ができる本」みたいなのが
売れるわけだ。こういう人は男性にも意外と多いのである。
たぶん、社会人になってから、そういう場に行ってたのしい思いを
したことがないのだろうと思う。
私の場合、ライターという仕事をするようになってから、
初対面の人と接するのがまったく苦ではなくなった。
むしろ楽しみに思う。
だから、仕事を離れても、顔見知りが誰もいなくてもいろんな集まりに
顔を出す。そういう場でおもしろい出会いを経験もしている。
いや、仕事でそんな経験をしなくても、箱入り娘じゃないんだから、
もうけっこうな大人なのだから、どこにでも出向いていって、
新しい出会いをして、新しい感性を自分の中に吹き込んだらどうかと思う。
私自身、人間関係の豊富さ、多様さが人生の充実度を決めると思っている。
だから、人が集まるところには極力顔を出したいと思っている。
最初は誰でも初対面。
私自身、人見知りなおっさんにはなるまいと強く思っている。