凶行

仕事場から徒歩わずか十数分の秋葉原で起きた。
無差別殺傷事件――。
見慣れた交差点が血の海。
固唾をのんでニュースの画面を食い入るように見た。


そうはいっても日本は安全と今まで思ってきたけど、
こんなに無差別な殺人が頻発するのでは、その考えを改めざるを得ない。
アメリカなら銃乱射だけど、日本は車で人の群れに突っ込むというわけか。


トラブルの末の事件なら防ぎようがあるけど、隣に住んでいたり、
駅のホームに並んでいたり、ただ道を歩いていただけで、
命が失われたのでは、どうにも防ぎようがない。
最近は、駅のホームで列の先頭に並ぶのがはばかられる。
人ごみを歩いていても、たまにいつ自分が犠牲者になっても
おかしくないなと思ったりする。


無差別殺人を起こす人間の最近の共通点は、


まじめ
印象は薄い
突然キレる
友だちが少ない


こういう特徴がある。
疎外感がそうさせるのか。
「道行く人はみなたのしそうに見える。なぜ自分だけこんな境遇なのか」
と思ってしまったのか。
事件で時代を論ずるのは安易だとこれまでは思っていたけど、
ここまで頻発するにはなんらかの理由があるに違いない。
なぜこんなことばかり起こるのか。
私たちの社会が知らない間に変質してしまっているのか。
腑に落ちなければ、安心して眠れない。
今回ばかりは書いても気は晴れない。
本当に「大変な時代」である。