引け目を感じるのは「アウェー」

「自分は田舎者なので、都会に出てくるとドギマギする」
という人がいる。引け目を感じるというのである。
なんか恥ずかしい感じがするという。
私はそういう感じがわからない。
私が引け目を感じるのは、その土地のことばが話せないとき。
それは英語であっても、標準語であっても、名古屋弁でもそうだ。
東京に来たときは、標準語がしゃべれないことに引け目を感じた。
アメリカに行ったときは、英語がしゃべれないことに引け目を感じた。
こないだ名古屋に行ったときには、名古屋弁がしゃべれないことに
引け目を感じた。
「よそもんがこんなとこに来てしまって、ごめんなさい(>_<)」
と思ってしまう。
だから、「オレは東京から来たシティボーイ」なんて、優越感は一切ない。
そのせいか、言葉に対する感度が高いのかわからないが、
方言には簡単に染まってしまうほうである。
1時間話しただけで、名古屋弁のイントネーションが感染した。
あれって、不思議だなと思う。
明石にある明石焼きのお店に行ったとき、ごく自然に
「(お店の)中で食べれます?」という、誰が聞いても
ネイティブの関西人の発音が口をついて出てきた。自分でびっくりした。
だから、自分が田舎者とか、都会者とかというより、
よそものである、つまり「アウェー」であることに引け目を感じるたちの
人間であることがわかった。
たぶん、沖縄にいったら沖縄弁に引け目を感じるだろうし、
青森にいったら津軽弁に引け目を感じるだろう。
そこが都会か、田舎かは関係ない。
ビルがあるかどうか、ネオンがあるかどうかは関係ない。
あなたはどんなときに引け目を感じますか?