パーコー、パーコー

久しぶりに食べ物の話題を。
私の学生時代、食事のことで気にかけることいったら
ひとつしかなかった。
それは、


少ないおかずで、どれだけたくさんのご飯が食えるか


であった。
実家から米を送ってもらっていたので、ご飯だけは無尽蔵にある。
しかし、貧乏だからおかずがない。
そんな生活で、おかずの量を計算してご飯を食べる習慣が身についた。
これだけのおかずなら、これだけのご飯が食える
ということを、瞬時に判断できるようになった。
だから、焼肉にいったときなど、ご飯をおかわりするかどうかは
皿の上に残っている肉の量によって決まる。
おかわりが到着するまでに肉が消費されているのを見越して
おかなければならないので、相当な戦術を要する。


……ってそんなことを書きたいんじゃなかった。
先日、食べたパーコー麺である。
これは私のこうした「ご飯とおかずの相関関係」を
見事に打ち崩すものである。
パーコー麺とは、ラーメンにトンカツが入っているやつである。
いや、トンカツではない、あれは唐揚げか。
とにかく、揚げた豚肉が入っている。
揚げた豚肉、いわゆる唐揚げはご飯のお供である。
唐揚げは白飯と一緒に食わなければならないと
憲法第42条にも書いてある(ウソです)。
それをラーメンに入れるとは何事か。
でも、これがうみゃーだがや。
あまりのうまさに名古屋弁になってしまうぐらいなのである。
内幸町の「肉の万世」系列のお店で食べたのだけど、
「ダブルの大盛り」なんかにすると、トンカツのように列になって
それが二枚やってくる。
すげー。
こんなのあれじゃないですか。
将棋の「歩」を全部「飛車角」にしたぐらいの豪華じゃないスか。
でも、一方で申し訳ないと思う。
白飯に対して申し訳ないと思う。
「君を差し置いて、麺と一緒に食ってごめんね」と思う。
これだけの飛車角があったら、白飯をどれだけ食べれたかと思う。
ギャル曽根がいなかったら、アフリカのどれだけの人が
食にありつけるだろうかと思う。
そんなことで、ようやくやっとの思いで完食したら、
腹がすんごいことになっていた。
世に言う、もたれる、という現象である。
腹の中で豚肉がパーコー、パーコー言っている。
がんばれ、オレの胃液!
がんばれ、オレの十二指腸!
というわけで、パーコー麺はおいしかったという話でした。