スパングリッシュ

アメリカのアングロサクソンの裕福な家庭に、ヒスパニックの
ハウスキーパーが勤めにやってくるというお話である。
その裕福な家庭は、夫が有名な料理家、
妻はドラスティックな性格。子どもがふたりいる。
そこに娘を養うために、高い給料を得たいヒスパニックの母親が
入って化学反応を起こすことで、ストーリーは展開する。
白人妻がハウスキーパーの彼女をいじめるという話ではない。
むしろ逆で、お節介をやきたがる。典型的なアメリカ人なのである。
タイトルは、スパニッシュとイングリッシュをかけあわせた造語。
ヒスパニックの母親は最初英語をまったく話せないのだが、
途中から英語を学ぶ。
それは彼女がアメリカの文化を理解しようとすることと同じだった。
しかし、母親はあくまでも自分のやり方をつらぬく。
娘に対するやり方も、勤め先の人たちの価値観に左右されない。
親子の関係に絶対の自信をもっている。
子どもにはそのときは理解されなくても、
あとで必ずわかってくれるという確信があるからだろうか。
「子どもをもつ親には決してしてはならない間違いがある」
「私たちの間に、距離なんかない!」
など、印象的なセリフもたのしい映画です。