悲痛な虐待現場

珍しく家族で外食したときのこと。
店から出ようと次女を抱えて、店のドアのところで長女を待っていたら、
長女を押しのけるようにして、3歳ぐらいの子を抱っこした母親が
早足で店の外に出ていった。
長女は無事だったが、「なんだ、小さい子がいるのに」と思ったのも束の間、
母親は「だからいったでしょ!」みたいなことを言いながら、
抱っこしたまま平手打ちを子どもに何度も浴びせた。
ピシッ、ピシッという音が聞こえてくる。
他の客も唖然とした表情で、その母親の背中を見つめていた。
何があったかはわからないし、その家庭の教育方針というものもあろう。
でも、あまり子どもが叩かれるのを見るのはいい気がしない。


虐待のニュースがよく報じられる。
子どもを殴ったり、食事を与えないなどして、死なせるケースもある。
ニュースになったのは死んだケースであって、
死なないまでもかなりの程度の苦痛を伴う虐待は無数にあるのだろう。
さまざま理由はあるだろう。
その理由のうち、育児ノイローゼが主な原因になっている場合なら、
周りにいる人が気づいてあげることで、虐待は未然に防げる。
母親の話を聞いてやり、子どもを預ける施設の存在を教えてあげる
こともできるだろう。
わが子と同じ年月の子どもが傷んでいると、辛い気持ちになる。
周りの人たちのことをよく見ておくことが、やっぱり大事だと思う。