弱いもの同士だから

前に「配偶者を養っていく自信がない」という男性の話を書いた。
彼は「ぼくはそんなに強くないから」というのです。
それを聞いて「俺って強いから結婚したのかな」と考えた。
基本的に彼とは考えが違っているような気がする。
ぼくの場合は「弱いもの同士だから、助け合って生きていく」
という考えです。
動物が群れで行動するようなものです。
動物は強いやつが弱いやつを庇護するために群れで生活して
いるんじゃないんですね。弱いもの同士だからこそ結束するのです。
弱いもの二人がそれぞれ得意なことを生かして、
家庭という組織を運営していく。
狩りが得意な男は外で働く、細かいことが得意な女は家のことをやる。
そして、狩りで得たものや家のことは二人で共有する。
どちらのものでもない、ふたりのものとして所有する。
「俺は強い、だから結婚して女を養う」と思っている人は、
「誰のおかげで食えてると思ってるんだ!」と妻に言って
離婚の原因になるのです。
時代は変わった。
強い人間が弱い人間を抱えて生きていけるほど
ラクな時代ではなくなったということだ。
そんなに強くなくたっていい。
ぼくはそんなふうに脱力して結婚生活を楽しんでいます。