誰だってするよ

就活、婚活をやっている人の意見を見聞きすると、
「失敗したくないんだなあ」という意識がとても強いのがわかる。
情報が多い時代だから、悪い情報も多く入ってくる。
人はよい情報より悪い情報に注目するから、
失敗したときのことが頭から離れなくなるのだろう。
社会に余裕がなくなってきて、失敗が許容されにくくなっている
という側面もあるかもしれない。
若い時分には、失敗は許されるものだったはずだ。
でも性急に結果を求めるあまり、失敗に対して厳しくなった。
シューカツ、コンカツに失敗したって、いくらでもやり直せるのにね。
生きてる限りね。
ある程度、年をとってくるとそういうことがわかるのに、
そんなことを言ってくれる大人がいないし、本にも書いていなければ、
ネットにだって書いていない。
コンカツ、シューカツに失敗したら大変よ、
だから、コンカツサイトに登録しなさいね、
シューカツ本を買ってねってことになる。
ぼくはなんの根拠もなく、「失敗しても大丈夫」といっているけど、
言っている意味は普通の大人ならわかるはずだ。
なんの根拠もないことをいうのが得意な人たちは、
なぜ「まあ、大丈夫だよ」っていわないのかな。
失敗してもいいんですよ。


今朝、まだみんな寝静まっているころ一人起きだした次女が
絵本を持ってきて読んでとせがむ。
それはミッキーがミニーの家でご馳走になる話だった。
ミッキーが腹ぺこでミニーの家につくと、
ミニーはなんだか焦った様子で、お茶を渡したり、新聞を渡したりする。
「いつになったら食べれるのかなあ」
そこへプルート(ミッキーの飼い犬)がやってきた。
口には焦げた骨をくわえている。
「ははーん」
ミッキーは気がついた。そして、キッチンのミニーにいう。
「ミニー、今日はレストランに行くことにしよう」
キッチンから出てきたミニーはいう。
「私が料理に失敗したって、気づいたの?」
ミッキーはいう。
「誰だって失敗はするよ。さあ、行こう」