もう物はいらない

誰かの誕生日に何かをプレゼントするのがとても苦手です。
かつては「釣った魚にエサをやらない」と言われたこともあります。
まあ、今は世の中的にプレゼントをしないと、とても冷たい人のように
扱われてしまう時代なので、何か買いますけどもね。
人には買うけれど、もらうのはあまり好きではないのです。
だから、だいたい「プレゼント何がいい?」と聞かれて、
「何もいらない」と答えます。
なぜならもう何もかもあるからです。
まだ使えるものは買い換える必要もないです。
そもそも置く場所がないのです。
車や腕時計を所有するなど、物によってアイデンティティ
保とうとする必要もない。だから、収集癖もない。
物欲が満たされてしまった社会では、プレゼントさせようとすることで
消費を刺激するしかなくなっています。
けれど、感謝の気持ちを伝えるのに、物を与える以外の方法は
ないものかといつも思う。
日本人はそういう意味でのコミュニケーションが下手かもしれない。
だから、プレゼントをするのかもしれない。
私の考え方は穿っているかもしれない。
けれど、少なくとも自分自身はもう物はいらない。
旅のお土産で一番たのしいのは、お土産話です。
感謝やお祝いの気持ちを表すとき、物ではなく、
そんな贈り物がないものでしょうか。