隣人を訪ねたが……

リフォームしないと家が倒れますよとか、浄水器をつけないと
塩素でガンになりますよとか、年金がもらえなくなりますよとか、
とにかく人に恐怖を植え付けることによって、
モノを売ろうとしている人がいます。
人の不安に付け込むわけですが、その不安はどこからくるのか。
やはり経済的なところが大きいのでしょう。
昔はお金がなくても生活できた。いや、本当になかったらできませんよ。
でもそれほどたくさんなくても、近所の人からお米を分けてもらったし、
子どもが多かったから、年老いてしまえば子どもの世話に
なることもできた。
けれど、農村から都市に人口が移動し、核家族が増え、都市に多くの
人が住むようになって地域のコミュニティーは崩壊した。
米を分けてもらうといったような、セーフティーネットが機能しなく
なったのです。
そうした社会ではお金こそが命をつなぐ唯一の手段になります。
だから、お金の多少と幸福感が直結するようになったのです。
昔のような共同体がやはり必要です。
独居老人の死に何ヶ月も気づかない社会が正常とは思えません。
周囲の誰かがピンチのときには助け合うことが必要です。
先日、引越しの挨拶をしに、隣の部屋の住人を訪ねましたが、
いくらインターホンを押しても出てきてくれません。
外から眺めると部屋の電気がついているのにです。
めんどくさいのか、警戒しているのか。そういう人が多いようです。
私に何かあってもたぶん助けてもらえないでしょう。