「結婚はまだかい?」 

地方から東京に出てきた若者たちにとって、
帰省したとき枕詞のように親や親類などに言われることがある。
「結婚はまだかい?」
そうでしょう、そうでしょう。
わかります、わかりますとも。
私もその1人ですもの。
私も恒例行事のように母親からそう言われましたので、
このように反論しました。
「あなたの言うことはよくわかる。ただ、ちょっと考えてみてほしい。
もし仮にぼくがあと半年の命となったら、『結婚なんかしなくてもいい。
ただ生きてさえいればいい』というでしょう?」
「それはそうね」と母親。
「健康で毎日をたのしく生き生きと過ごすこと以上に何を望むの?」
とぼくは母親に反論したのだが、納得しないらしい。
この母親とのやり取りの一部始終を友人・知人らに語ると、
「お前が言っているのは極論だ」と一蹴されてしまった。
ぼくは極論だとは思わない。
子どもを心配する気持ちはよくわかるし、それが当たり前だとも思う。
人は何かが満たされると、欲求は次の段階に進む。
ただ無事に生きていることは、何にも代えられないことだ。
もちろん、「結婚はしない!」などとは一言も言っていませんしね。
「結婚はまだか?」と言われたら、
「まあまあ、落ち着いて。いつかするときもありますからね、
それでいいじゃないですか」と言えばいいのです。
あと、ぼくの場合、「ここまで立派に育ててくれただけで十分です」
と両親には言うことにしている。