映画『アビエイター』を観る

話題の大作を見てきた(ネタバレあり)。
物語は1990年代の話で、ヒューズさんというハリウッドや航空業界で
活躍した人の話だ。
よく小説や映画のストーリーでは、主人公がその人生を選択するにあたって
のきっかけになるような出来事を、話の序盤に挿入することがある。
ヒューズさんの病的な部分については、前フリがあるのだが、
肝心の映画や航空に没入するきっかけが見当たらない。
たぶん彼が飛行機に没入するのに、きっかけが何かあったはずだ。
それが描かれていると、「なぜ彼は飛行機にそれまで財と情熱を投入できるか」
が明確にわかって感情移入できたのだと思う。
人を動かすエネルギーとなるものは、人によってそれぞれ違うが、
それが話の根底にあるのと、ないのでは全然違う。
なぜ彼がそうまでして飛行機に財と情熱を投入するのか、
それがわかったら、この映画を観る人は彼の行動をスッと理解する。
「わかる、わかるよ、ヒューズさん」と思うと思うのだ。
そういう意味では、「ビューティフルマインド」のように、
病的な部分にスポットを当てるか、それとも彼の一途な「飛行機への情熱」
の部分に当てるか、どちらかにしたほうがよかった。
それが中途半端になっていて、残念な気がした。