「ベン・ハー」

1959年制作、チャールトン・ヘストン主演の大作映画です。
チャールトン・ヘストンの映画は、彼を認識して見たのは本作が
最初ではないかと思います。
その名を知ったのは、マイケル・ムーア監督の
ボウリング・フォー・コロンバイン」でした。
そのなかの彼はいかにも頑固な老俳優という感じでしたが、
代表作の「ベン・ハー」の中では目に力のある、魅力的な俳優でした。


それにしても最初、観るのにためらった。
なにしろ240分もある。4時間も飽きさせずに観させてくれるのか?
のっけから6分、静止画を見させられ、音楽を聴かされる。
DVDなので当然のように早送り。
映画に入ってからも、「わかったから早く次のシーンへ・・・」と
思いたくなるほどゆったりと話は進む。
途中でうつらうつらしてしまうほどだった。
ところが、ベンハーがとらえられてしまうところぐらいから
ストーリーにひきつけられ、長回しのシーンも違和感がなくなってきた。
最終的には心地いいほどのリズムで話が進んで行った。


見どころはストーリーもさることながら、映画史上に残る、
海戦シーンと競走馬シーンだろう。
これが大変な大迫力シーンなのである。
また、ベンハーの母親と妹が業病であると知らされて以降の展開は
業病(現代のハンセン病)を知る上でのきっかけになるかもしれない。
ハンセン病については別の機会に書きたい)
そして、この物語はキリストが十字架にかけられるシーンが重要な意味を
もってくる。ベンハーもまたキリストによって救われる。


以上のような要素がとてもわかりやすく表現されていて、
長尺を感じさせないドラマに仕立て上げられている。
1959年の作品なのに、状況設定や背景などが説明っぽくなく
さりげなく描かれていて名作に値する映画だと思った。
原作は小説らしいので、機会があったらそっちにも触れてみたい。