一度つくったものをぶち壊す

卓球の福原愛は、もっと強い球を打つために
ラケットのラバーを替えたのだという。
そのために、これまでつくり上げてきたものを
一度、ぶち壊すことが必要だったという。
技術を最初から身につけなければならないというのだ。
「ものにするまでにどれだけ負けるかもしれないし、
その間、周りからどんなことを言われるかもしれない」
と語っているのを聞いて、トップアスリートの心労たるや
いかばかりかと想像した。
スポーツ選手は、一流のレベルまで達すると、必ず壁に
ぶち当たるときがくるという。
そのとき彼らは何をするのか。
また最初の基本の「き」からやり直すのだという。
柔道だと受身からやり直す。
野球の投手だとボールの握り方からやり直すのだという。
福原愛もおそらく、いままで自分が積み上げてきたものを
だるま落としのように一度、根底からガラガラと崩し、
その上で一からやり直したのだろう。
その努力たるやいかばかりかと想像する。
前に進むためには、積み上げてきたものをどっかで
ぶち壊してみないといけないのかもしれない。
前に進むのもそうそう、楽ではない。