校庭芝生化への長い道のり2 

日本人は長いこと、芝生を観賞用のものとして

とらえてきた。

日本庭園に植えられているような芝生を見て、

きれいだなと思うのと同時に、

「芝生養生中のため、立ち入り禁止」

といった看板を見て、芝生には立ち入ってはいけないもので、

見て、目を楽しませるものだった。

ところが、外国から来た何人かの人が、

「芝生の上でスポーツをしたらいいよ、競技場じゃなくても」

といって、スポーツ用の芝生を紹介してくれた。

そのうちのひとりがニール・スミスさんだ。

ニュージーランド人で、芝生の鳥取方式を開発した人でもある。

彼が提案するのは、ティフトンという洋芝を使って、

簡便かつ安価に芝生を管理する方法だ。

これに、かつてのJリーグチェアマンだった

川淵三郎さんが賛同し、Jリーグ100年構想の中に

芝生化を組み込んだ。

それに伴って、totoの収益金が校庭芝生化に

使われるようにもなった。

私は埼玉にある女子大学にゲストスピーカーとして呼ばれて

講義を行ったことがあるのだが、

その大学のグランドはそのtotoからの

助成によってできた芝生のグラウンドが広がっていた。

こうやって芝生は、少しずつ広がっていった。