日本人は長いこと、芝生を観賞用のものとして
とらえてきた。
日本庭園に植えられているような芝生を見て、
きれいだなと思うのと同時に、
「芝生養生中のため、立ち入り禁止」
といった看板を見て、芝生には立ち入ってはいけないもので、
見て、目を楽しませるものだった。
ところが、外国から来た何人かの人が、
「芝生の上でスポーツをしたらいいよ、競技場じゃなくても」
といって、スポーツ用の芝生を紹介してくれた。
そのうちのひとりがニール・スミスさんだ。
彼が提案するのは、ティフトンという洋芝を使って、
簡便かつ安価に芝生を管理する方法だ。
これに、かつてのJリーグチェアマンだった
芝生化を組み込んだ。
それに伴って、totoの収益金が校庭芝生化に
使われるようにもなった。
私は埼玉にある女子大学にゲストスピーカーとして呼ばれて
講義を行ったことがあるのだが、
その大学のグランドはそのtotoからの
助成によってできた芝生のグラウンドが広がっていた。
こうやって芝生は、少しずつ広がっていった。