理由は、少子化対策のヒントを得るためという。
出産後の母親が働きやすいとか、託児の場所が豊富とか
いろいろな施策を意欲的にやっている町なのだが、
私はひとつの仮説をここに見る。
子どもをつくることのハードを下げるのに、
周囲の人との「めんどくさい人間関係が役立っている」
のではないかということだ。
奈義町では「なぎチャイルドホーム」という託児施設があり、
子育て経験者の職員や「ベテラン母親」など、いろんな人が
気軽に集えるようになっているようなのだ。
そこで知り合いになって、いろんな相談ができるし、
「そこに行けば誰かがいる」ということで、
精神安定の場になっているのではないか。
こういうメンタル面の安定の要素が出生率の寄与に
どれだけ役立っているか、検証のしようがない。
アンケート項目でもあまり出てこないのではないか。
以前、調べた長野県の下条村も地域イベントの参加を必須にして
若い夫婦の住居を安く提供していた。
若い人からすると人づきあいは面倒だが、
そのぶん、助けてもらえることも多い。
この心理的な効果は意外と大きいと思うのだが、どうだろうか。