「少子化の原因」の仮説 

岸田総理が岡山県奈義町という田舎の町を訪れた。

理由は、少子化対策のヒントを得るためという。

奈義町出生率が2.95になったことで注目されている。

出産後の母親が働きやすいとか、託児の場所が豊富とか

いろいろな施策を意欲的にやっている町なのだが、

私はひとつの仮説をここに見る。

子どもをつくることのハードを下げるのに、

周囲の人との「めんどくさい人間関係が役立っている」

のではないかということだ。

奈義町では「なぎチャイルドホーム」という託児施設があり、

子育て経験者の職員や「ベテラン母親」など、いろんな人が

気軽に集えるようになっているようなのだ。

そこで知り合いになって、いろんな相談ができるし、

「そこに行けば誰かがいる」ということで、

精神安定の場になっているのではないか。

こういうメンタル面の安定の要素が出生率の寄与に

どれだけ役立っているか、検証のしようがない。

アンケート項目でもあまり出てこないのではないか。

以前、調べた長野県の下条村も地域イベントの参加を必須にして

若い夫婦の住居を安く提供していた。

若い人からすると人づきあいは面倒だが、

そのぶん、助けてもらえることも多い。

この心理的な効果は意外と大きいと思うのだが、どうだろうか。