映画『リメンバー・ミー』前編

2017年夏に公開されたピクサー・ディズニー映画

リメンバー・ミー』(原題『COCO』)を鑑賞。

舞台はメキシコ。亡くなった人が帰ってくるといわれる、

「死者の日」を扱ったストーリーだ。

日本でいうお盆のような風習がメキシコにもあるんですね。

主人公ミゲルを中心とし、5世代にわたる家族と

その愛・絆をテーマとする。

ミゲルはミュージシャンになりたい12歳ぐらいの少年。

しかし、高曾祖父(ひいひいおじいちゃん、4代上)が

ミュージシャンで、演奏ツアーに行ったきり帰ってこなかった

ため、家族は音楽を忌み嫌っている。

ミゲルも音楽をすることを反対されてしまう。

そんなミゲルがひょんなことから死者の国に行き……

という話である。

この映画の肝になっているのが、現実世界で忘れられてしまうと

死者の世界で「二度目の死」が訪れるという設定。

もうなんかそれ聞いただけで切ないのだが、

暗く陰鬱になりがちな死をテーマとしながら、

コミカルで明るく、感動的なストーリーにまとめる

ピクサー・ディズニーの仕事には毎度のことながら感服である。

それにしても他人のレビューを見ていると、

「途中で展開が読めてしまった」とかいうやつ、

「なんなん?」って思う。

私はこれまで1000本ぐらい映画を見ているだろうが、

「先の展開を読まない(読めない)」才能がある。

だから、どの映画も楽しめる。

日本人というのは、マジックとか奇術を

「種を見破ってやろう」という見方をするんですよね。

あと、ミステリー小説、ドラマとかもそう。

作り手の術中にはまらない自分は賢いと言いたいのかね。

だから、映画でも先のストーリーを見破ってやろう、

「そんなおれって、映画通でしょ」と言っているわけだね。

しょうもなって思う。

日本人以外は、こういうものを楽しもうって見るよね、純粋にね。

話が逸れたが、本作は私にとってとても楽しめた。

死者の世界においても役割に甘んじなければいけないのは、

窮屈でごめんこうむりたいが、こんなにきらびやかで

楽しい世界なら死ぬのも悪くはないと思えてくる。