スポーツの原点は楽しむこと

スポーツの現場で、指導者や選手、関係する人すべてが
忌み嫌わなければならないことは、選手のケガである。
ルールが設定されている理由はただひとつ。
ゲームがおもしろくなるようにするためのものだ。
「ゲームがおもしろくなるようにする」ために、
どちらにも有利になるようなことがないようにしたり、
試合時間を調整したり、ケガがないようなルールをつくる。
この「ケガをしない」というのは、
ゲームをおもしろくするための要素として多くの部分を占めている。
なぜなら、選手がケガをすると、選手ばかりでなく、
指導者も観客もおもしろくないからだ。
おもしろくないスポーツをやる人も見る人もいなくなり、
そのスポーツは絶滅するしかない。
「勝つためならどんなことでもやってもいいか」
と問われたとき、「どんなことでも」の中に相手にケガをさせる
ことは絶対に含まれない。
勝利のためとかなんとかというより、
自分がそのスポーツを楽しむために、すべての選手のケガを
防ぐようにふるまわなければいけない。
相手にケガをさせることを目的とするプレーは、
スポーツの中で最低の行為である。
これはそのスポーツを破滅させる行為に等しい。
スポーツはそもそも遊びであるから、楽しいものである。
それが奪われるケガを防ぐようにすることが指導者の役目。
残念ながら相手にケガをさせても勝てばいいとか、
壊れてもいいから勝利を目指せと自分のところの選手に
無理をさせる指導者が、ほんの一部だけどいるのだろう。