「施策」は「せさく」ではない 

かなりの人が間違っている読み方がある。
会話の中でも気になる。
たとえば、「施策」である。
これを「せさく」と読む人が多い。
多いというか、もはや多数派ではないか。
「施」は「せ」とももちろん読む。
「施工」「施行」がそうだ。
このイメージが強いので、「施策」をせさくと呼んでしまう。
でも、「実施」を思い出せば、「施策」をしさくと読める。
ただ、もう「施策」を「せさく」は間違いとは
言えなくなってきている。
ワープロソフトで変換すると出てこないが、
そのうち出てくるようになるのも時間の問題だろう。
そうやって言葉というのは変化していく。
私たちのように言語を扱う職業の人や、
教育者はこういう変化に保守的でないといけない。
番人がいないともう何が正しいか間違っているか
わからなくなり、結局、「伝える」という本来の目的が
達せられなくなってしまうからね。