技術と心

落語家の立川談春さんは最近は俳優としても活躍している。
対談でこんなことを言っていた。
「『下町ロケット』で共感したと何人かが言ってくれたのは、
『泣かせる笑わせるってことにもきっと技術があるよ』
というセリフだった」
必然的に感情をゆさぶられる旋律があって、そこに心が乗ると感動する。
最初から心を前面に出すのは安易だというのだ。
なるほど、泣かせる、笑わせるのにも、基本の技術なりセオリーがあって
まずはそれを体得することだってことだね。
私はいわゆる「お笑い」が好きだし、泣ける映画を好きでよく見る。
そういうコンテンツの肝を振り返ると、共通点がある。
お笑いなんか完全にパターンがあるもんね。
泣ける要素も基本パターンがある。
たとえば、「健気(けなげ)」ってやつね。
あと、「不憫(ふびん)」ってのもあるだろう。
そういうのをなぞったあとで、最後のひとしぼりとして
「心」を乗っけなさいというのだ。
そこで個人技が出てくるんだろうね。
「心」は教えられるものでもなく、訓練するものでもなく、
日頃の生活、人間性がそのまま出てくるものなのだろう。
私の場合、まず基本技術、セオリーを学ばないとなあ。