ストーリーに起伏は必要?

あるお笑い芸人が言っていた。
「やくざから牧師になった人より、
ずっと牧師をやってた人のほうが偉いだろ」
その通り。
その通りなんだけど、それだとストーリーにならない。
そういう人はたくさんいるからね。
でも、やくざから牧師になる人は少ない。
刑事から僧侶になる人も少ない。
だから、メディアに取り上げられるネタになる。
滝の観光と一緒で、落差が大きいほど客を呼べるのが、本の世界だ。
起伏が大きいほど、わかりやすいストーリーが書ける。
やくざの世界から弁護士になるから、人の興味を引くし、
「いったい、何があったん?!」と気になる。
でも、本当はずっと、ちゃんと弁護士をやっている人の話を
本にしたほうがいいのだよね。
こういう、ある意味で、普通の人の話を読んでもらうには、
それなりの技術がいる。
濃い味付けでなら客を呼べるが、薄い味付けで客を呼ぶには
技術がいる。
どうせ長くやるなら、技術で勝負したいものだ。