えびすさんと絶望

タレントの蛭子能収さんの日めくりカレンダーが人気だという。
義理の父が購入していたのを見せてもらった。
なんというか、ポジティブなのだか、ネガティブなのだか
わからない「名言」と「迷言」が並んでいる。
彼を見ていると、なんというか、底知れぬ絶望を感じる。
世の中になんの期待もしていないという達観がある。
彼の話で気になっているのがある。
子どものころ、自分で絵を描いて絵画コンクールに出したときの話だ。
同じように、同級生もコンクールに絵を出した。
同級生は他の優秀な作品の構図を丸ごとパクッて
入選を果たしたのだが、彼の作品は落選した。
そのとき彼は、「努力をしても無駄だ」と強く思ったのだそうだ。
たぶん、彼から感じる「絶望」はそういうことなのだろうと思う。
世間に絶望している。世の中から何かしてもらおうと思ってない。
自分が生きて人生を自由に楽しめればそれでいいや、という達観だ。
誰にも頼らないから、好きなことが言える。
ネットを読めばウソが全部バレるから、
いまは正直な人が人気が出る。
「ありのまま」で生きている。
それが絶望から来ているから、なんとなく悲しい。
そんな感じを彼から受けるのは、私だけだろうか。