みんな無力です

高校の同級生と18年ぶりに再会しました。
彼が東京に出張に来るというので、久しぶりに会うことに。
高1のときのクラスメイトで、
特別仲がよかったというわけではありませんでしたが、
まあいろいろと話はするという間柄だったとは思います。
お互い岡山を離れ、ぽつりぽつりとメールしていたのですが、
今回やっとこさ会えて、楽しい夜を過ごしました。
彼は阪神大震災を経験して、地震研究を志すようになったといいます。
いろいろと昔の話や身の上話をした別れ際、
「被災地に行くべきだよ」というと、
「わかってるけど、こわいというか・・・」
というんですね。
「自分の無力さを感じるのが?」
「無力さ……うん、そう、無力さを感じるだろうから。
それも奢りなんだけど……」っていうんですよね。
いろいろと考えるところがあるんでしょう。
「でも研究者なら行かなきゃね。自分の目で見なきゃね。
みんな無力だよ。がれきの山が現実、無力なのも現実だよ」
ちょっとけしかけるような言い方をしてしまったけれど、
被災地に行ってこの目で現実を見てきた者として、
「見るべき」ということはどうしても伝えたかった。
人ひとりができることは小さいよ。
でも人ひとりががんばったから、助かった命もある。
彼が被災地を見てきたら、またその感想を聞きたいと思っています。