税金と幸福

収入と幸福感が比例するのは650万円までという説がある。
それ以上になっても、幸福感はアップしない。
マズローの段階欲求説によると、4段階目の「承認欲求」を
するようになる。
社会的に役立つ人間であると認められたいという欲求が出てくる。
億万長者が社会問題の解決に乗り出そうとするのは
そういう理由があるからだ。
もしこの議論が正しいなら、いまの税制は変えたほうがよいことになる。
いまの税制は累進課税の度合いがどんどん緩やかになっていて、
所得税は最高で40%、住民税と合わせて50%だ。
あまりに高率の税を課すと、働く意欲が失われるからというのが、
所得税の税率が下がってきた要因だ。
一部の富裕層が経済を引っ張り、中間層以下がその恩恵にあずかれる
とする「トリクル・ダウン」という理論があるのだ。
ところが、40%も所得税を納めている人は、
数千万円以上の所得を得ている人に限られる。
そういう人は、税率が下がって手取りの収入が増えても
幸福感はアップしないということになる。
そうであるなら、税金をよりたくさん納めたほうが、
「全体幸福に貢献している」感を得られ、幸せになるのではないか。
こうした感覚が得られるのは、欧米人よりも「和をもって尊しとなす」の
精神のあるに日本人ぐらいかもしれない。
たくさん稼いでいる人に幸せ感をもってもらうためにも、もっと税金を
たくさん納められるようにすることを考えてもいいのではないか
と私のような庶民は思うのだが。