難聴のラガーマン、大塚選手

大学ラグビーの36回関東大学ジュニア選手権大会の
勝戦が行われた。
応援している帝京大学明治大学を73-14と圧倒した。
この試合で公式戦に初出場したのが、帝京大の大塚貴之選手(4年)だ。
大塚選手には生まれつき難聴というハンデキャップがある。
でも、高校時代には強豪校で主将を務め、大学では150人以上の部員の中で
実力は1軍であるAチームに昇格する一歩手前のところまで来ている。
このジュニア選手権というのは、Bチームに相当するチームで戦う
ということだと思うのだけど、公式戦の扱いのようだ。
ラグビーではコミュニケーションが重要視されるので、
難聴は相当なハンデになると思う。
それでも視覚を研ぎ澄ませ、目から入る情報量でそれを補う。
障害を抱えてここまでトップレベルで活躍できる選手は
これまでいなかったのではないか。
体格は167センチと大きくはないが、体重は74キロとある。
写真を見ても足の筋肉の発達がすごいことになっている。
俊足のウィングとして最後にトライを決めるのが彼の役目だ。
今回の試合では出場時間が少なかったが、もう少しでトライを
取れるところまで迫ったようだ。
今回の出場は監督の温情ではなく、彼が実力で掴み取ったもの。
その資格が彼に十分あることは、部員のみんなが認めているという。
ジュニア選手権に出場した選手も、大学選手権に出られる。
大学選手権決勝まで行けば、あと残り5試合ある。
大塚選手の勇姿が見られるチャンスはまだあるはずだ。