違っているから強い 

帝京大学ラグビー部が大学選手権に優勝して、

さまざまな記事を隅から隅まで読んだ。

その中に細木キャプテンの話が結構あった。

そして、その細木キャプテンの言として、以下の言葉があった。

 

 

「誰のようなキャプテンになりたいというのはありません。

みんなが僕をキャプテンに推してくれたのは、僕の個性を

認めてくれたから。僕が誰かのようになりたいと思ったら、

それはみんなが僕に望んだキャプテンじゃなくなってしまう」

 

 

とてもいい。

自分は誰かのようなキャプテンは目指さない。

自分は自分のままでいいのだ。

そう、ありのままで……。

勝戦での雄たけびも自分らしさを出していいという

確信から出たものだったのだろう。

そんなことを思いながら帝京大学ラグビー部のサイトを見ていたら、

毎年作成されているらしいイヤーブックが出てきたので読んだ。

そこには、現役の細木キャプテンと、日本代表で大学OBでもあり、

それぞれのチームで主将を任されている

埼玉ワイルドナイツの坂手淳史選手と、

東京サンゴリアス中村亮土選手との対談が掲載されていた。

そこで細木キャプテンは2人に聞く。

「理想のキャプテン像を教えてください」と。

「僕は理想像というのはないかな。(中略)

ひとつの理想像に固執してしまうと、自分のオリジナルのリーダー

としての在り方がなくなってしまう」(坂手選手)

「僕も特にないかな。自分をアップデートしていくことが

チームをリードしていくことにつながるはず」(中村選手)

という言葉を聞いて、「目から鱗でした!」と返している。

圧倒的な実力で引っ張るような、自分らしいリーダーで

あればよいと腹をくくった瞬間ではなかったか。

細木キャプテンの言葉の裏には、先輩の言葉があったのだろう。

「違っているから強いんだ」

ラグビーW杯のときに流れたCMのコピーを思い出す。

さまざまな個性がぶつかり、反発し、つながりあって、

ゲームができ上がる。

ラグビーはそんなところがおもしろい。