わかりやすい感動ストーリーを欲しがりすぎる

芸術というものは、目に見える、耳に聞こえるものだけが
すべてではない。
その裏にあるストーリーがあってこそ味わい深いものとなる。
同じような音楽なら、単なる音楽家より、ろう者がつくったものの
ほうがいい音楽に聞こえるのは、ある意味で当然だ。
日本は幽玄の国である。
幽玄とは、裏にあるものを感じ取る美的感覚のことだ。
裏にある感動的なストーリーが芸術をよいものにする。
日本人は裏にあるものを感じ取る、その感性が強い。
誰がつくったかは別にして、曲は曲でいいものと評価すればいいし、
改めて聞いてみたらそれほどでもなかったからといって、
自分の耳を疑う必要はない。
その一方で、世の中が感動をほしがりすぎているような気もする。
あまりよいことがない(ように思える)世の中だから、
イイ話にはことさら過剰に反応する。
わかりやすい話に簡単に飛びつくんじゃなく、
「裏にあるイイ話」に気づけるようになりたいね。