子どものころの夢

最近、寝ている間に夢を見ることが少なくなった。
見てはいるんだろうけど、覚えていることがほとんどない。
土日に二度寝したときなどに、夢を見たような気がするのだが、
思い出せないものばかりだ。
子どものころはそうじゃなかった。
小学生のころに見た夢で、今でも鮮明に覚えている夢がある。
当時、家からすぐ近くの公園で、三角ベースやテニスボールを使った
野球をよくやっていた。
その公園のフェンスの向こう側は、岡山らしく桃畑になっていた。
よくボールが入っては取りにいったものだった。
その当時、よく見ていたのがジャッキーチェンの映画で、
その中に「少林寺木人拳(ぼくじんけん)」というのがあった。
ジャッキーが少林寺を卒業するときに、木人がずらっとならぶ
通路を通過しなければならない。その木人は鎖でつながれ、
なんらかの動力によって動かされている。
薄暗いその通路を不気味にうごめく木人の攻撃にひるまず、
通貨しなければならないわけだ。
その木人が子ども心になんか怖かったんでしょうね。
公園の向こうの桃畑から、その木人がたくさん、こうワーっと
出てきて、「わー、木人が攻めてきたぞー、わー」
といって、やおら逃げ出すという夢を何度も見た。
それはしばらく続いた。
何度も見たから、ものすごくよく覚えている。
現実に公園で遊んでいるときも、いつか桃畑から
木人が出てくるんではないかという気持ちがいつも心のどこかにあった。
懐かしい思い出である。