行列のできる「○○丼の店」

静岡は伊豆の格安温泉宿に行ってきた。
途中沼津漁港で有名な、すんごいボリュームのかき揚げ丼の店で
昼食をとることにした。
昼食といっても朝早く、土砂降りの中を高速で走ったので
思ったよりかなり早くついてしまったので、まだ11時になってなかった。
昼前、どしゃ降りという悪条件が重なったおかげで、
いつも土日は長蛇の列となるその店に入ることができたのだった。
出てきたのは、15センチほどの円柱形に揚げられたかき揚げ丼だ。
これを箸で崩し、細君と3歳、1歳児に分け与える。
残ったのをお父さんは勇んで食ったのだが…。
何かがおかしい。
絶対おかしい。
食べても食べても具が出てコネー。
半分食べたところで胸やけがしてきた。
そこでハタと気づいた。
細君以下3名に分け与えたのは、円柱の底の部分だった。
揚げるときに、円柱形の鉄の容器に入れたのだろう。
万有引力によって、エビさんやイカさんやタマネギさんなどが
底にたまり、てんぷらの衣の部分だけが上に積み上げられて
いったに違いない。
だから、私の器は、「かき揚げ丼」じゃなく、「天かす丼」になったのだ。
食えども食えどもエビさんやイカさんはいない。
少しのタマネギとネギしかない。
ここは漁港じゃなかったんかい。
いや、ほんというと、エビは彼女らが食べたのを見たから知っているが、
イカとか、ほかのメンバーがいたかどうかは知らない。
なにしろ、入ってなかったんだからねっ!
絶好球を打ってみたら、紙風船だったような手ごたえのなさ。
残ったのは脱力感と、胸やけだけ。
ペテンじゃないかー。
だが、事態はそれで終わらなかった。
午後から顔がテカッてしゃーない。
これでなんとかして発電できるんじゃないかというぐらいの
ドロドロ、ベタベタ加減なんである。
それは、次の日の夜まで続いた。
子どもに「さわってみ」と促すと、恐る恐る触って、
「わあ」って苦笑い。
なんかイケないもの触ってしまったみたいな。
脂って摂取の許容量を超えると顔に出るのね。
顔が一番気付くからだろうね。
「な、わかったろ。これからはやめときなね」ってこと
なんだろうと思う。
これから気をつけようと思う。
でもきっとまた食べると思う。