今はまだがんばる必要はない

東日本大震災でさまざまな支援の手が差し伸べられている。
お金もあれば、ボランティアもある。
みんなが応援しているし、一日も早い復興を願ってもいる。
でも、家族を亡くした人はまだがんばる必要はない。
今はしっかり悲しむことが必要です。
悲しみを一人でため込まず、誰かに話して思い切り泣くことです。
喪失体験をしたときは、まずはしっかり悲しむことが必要であることが、
最近のうつ病研究でわかってきています。
「悲しみの過程」を経ないと、人間はがんばる気力が出てこないからです。
まだ震災後1か月に過ぎません。
大事な人をなくしたら、もう少し時間がかかります。
悲しんで、時間がたったら、いつかかんばれる日がきます。
私たちがそういう人に声をかけられるとしたら、
「がんばって」や「がんばりましょう」ではなく、
「泣いていいんだよ」ではないかと思う。