クリスマスに仏教の話

買おうとする心を「断」つ、
不要なものを「捨」てる、
物質的な欲求から「離」れる

を意味する「断捨離」がブームだという。
大掃除の時期を得たものとも思えるが、それ以上に世相を反映している。
ぱっと見た感じ、仏教っぽいと誰もが思ったのではないか。
と思ったらやっぱり執着を捨てる仏教思想が根底にあるという。


過去のいやな思い出を「断」ち、
こだわりを「捨」て、
自我から「離」れる


というのが仏教思想である。
仏教の重要な経典のひとつである般若心経に何が書かれているかというと、
すべてのものは分子と原子から出来ているのであって、
その密度が高いか、逆に疎であるかの違いでしかなく、
すべてのものは無であると説いている。
だから、密度の濃淡にこだわるのは意味がないというのである。
すべての印刷物は拡大すると、ドットの一つひとつ
でしかないのと似ている。
つまり、断捨離というのは人格矯正セラピーなのだ。
来年はこれまで以上に仏教の年になるかなーと思ったりもする。