「メッタ」ってナニ?

最近、「殺人事件を扱う人」を取材している。
時には探偵的な動きもする人だ。
詳しいことは話せないが、その人の取材の中で
「OLがメッタ刺しにされた事件」という表現が出てきた。
ひっかかったのは「メッタ刺し」という単語だ。
この「メッタ」っていったいなんだろうか。
何回も声に出して唱えてみてください。
「メッタ刺し」「メッタ刺し」「メッタ刺し」・・・。
どうですか?
辛らつな表現なのにどことなくコミカルな雰囲気が
漂っていると感じるのは私だけか。
新聞雑誌でも「メッタ刺し」は普通に使われていて、
複数回刺した場合に用いられるようだ。
「メッタ」ですぐ思いつくのは「滅多」である。
「滅多に見られない」とか、「滅多なことをいうものではない」
などという使い方をする。
まれにとか、めずらしいといった意味がある。
ということは、「滅多に見られない刺し方」ということか。
でも、ネットで検索してみると、刺されたほうが死んでない
場合にも「メッタ刺し」は使われている。
メッタに見られない刺し方、つまりそれだけひどい刺し方を
したのに死なないのである。
「メッタ刺し」は死んだ場合にのみ使うべきではないのか。
「めったくたに(滅茶苦茶に)刺す」というのもあるかも。
「めったくた」っていう地方なんかあるかな。
とにかく、「メッタ刺し」にはおそろしいイメージがある。
ぐったりしている相手に何度も刃物を振り下ろすような
感じがする。記事なんかではセンセーショナルにするために
あえてこういう書き方をする。
読む人は加害者がいかにも極悪非道であるように思える。
単語ひとつで印象はいかようにも変えられるのだなあ。
・・・などと考えたりした。
まあ、それだけなんだけど。