ワルキューレ

トム・クルーズ主演なのに、あまり話題にならなかった本作。
数多くのヒトラー暗殺計画の中で最後となった
ワルキューレ作戦」を扱う。
トムが演じるのは若き司令官。
トムの周囲には反ヒトラー同盟みたいな組織があって
結構大きな組織なんですよね。
で、結構簡単に「仲間にならないか」なんて話したりする。
バレやしないかこっちがハラハラする。
ヒトラーは殺されないのを歴史が証明しているから、
ワルキューレ作戦」は失敗するのがわかっている。
そういう中で登場人物の内面、やっぱりやるべきかどうかの
葛藤が描かれているとおもしろかったと思うのだけど、
主演のトムの演技は、ヒーロー然としすぎていてかっこよすぎる。
彼の中にも葛藤があったはずなのだけど、読み取れなかった。
史実に基づいた内容なのだろうけど、
「ここでこの人が違う判断をしていたら」と思うような場面がいくつか
あって、ささいなことで歴史は変わってしまうのだという点が
唯一見ごたえがあった箇所だった。
みんなが知っている大事件はだいたい映画化されてしまっているので、
こうしたマニアックな事件か、大事件を新たな視点で描くということしか
大ヒット映画をつくる手法はなくなってきているのかなと思う。
あれもこれもと欲張らないで、テーマを一つに絞ってそこを徹底的に
深く深く描くような骨太な映画を期待したい。