ヘンリー・ダーガーを知っていますか?

ヘンリー・ダーガーという名前を知っている人は少ないだろう。
先日、この人の作品とこの人についての記事を読み、
調べてみたところ、すごい人だということがわかった。


ヘンリー・ダーガーは1892年、アメリカ・シカゴで生まれる。
3歳のとき母と死別し、父親に育てられる。
12歳のときに知的障害児として施設に移される。
16歳で施設から脱走し、シカゴに戻って病院の掃除人として働く。
以来、73歳になるまで掃除人として過ごす。
80歳のとき、病気で入院する。
そのとき、アパートの管理人が彼の部屋に入り、驚嘆する。


そこにはなんと15冊1万5145ページの戦争物語と
そのために描かれた大判の挿絵300余点があったからだ。
彼は誰も訪ねてこないアパートの一室で、ひとりコツコツと
40年もの間1つの作品にとりかかった。
新聞や雑誌の記事や写真を頼りに、自分の妄想を作品にしていった。
タイトルは『非現実の王国』で、7人の少女戦士が戦う。
挿絵はグロテスクなものもあれば、普通にきれいなものもある。
生涯、女性と交際することのなかった彼が描く女の子の絵には
男性器が描かれてある。
彼が孤独の中から生み出したたった一編の物語。
人間の想像力のすごさを思わせる。
いつかじっくりこの作品を鑑賞してみたいと思っている。