八王子市役所でCWニコル氏の講演が聞ける
というので、仕事帰りに立ち寄った。
ニコル氏は1940年、ウェールズ生まれの73歳。
22歳のときに初めて日本に来て、以来、
50年以上も日本に住み、作家、環境活動家として活動している。
彼が最初に選んだ日本の地は、秋津だったらしい。
その後、日本人の妻と結婚。
長野県の黒姫の森林を買い取り、アファンの森と名付けて
豊かな生態系の森をつくった。
彼がアファンの森を整備するときに馬搬(ばはん)を使った
というのが興味深かった。
他の地域でも馬を使ったが、すると係争になりにくいのだとか。
機械よりも人を納得させる力がある、結局、弁護士費用が減ると。
おもしろい発想だ。
いろんな花が咲いたけど、盗掘も増えたという。
そのときは、人が自由に入れるようにきれいに整備したら、
盗掘はなくなったという。
人が出入りしているところには、泥棒さんも行きにくいということ。
いろいろと勉強になる話がたくさんあったのだが、
もっとも感銘を受けたのは、森の癒し機能に着目し、
虐待を受けた子、ダウン症児、盲目の子どもたちを森に連れ出す
事業を23年もの間、続けているということだった。
いろんなレクリエーションゲームもやったが、最終的には
川に入って遊ぶ、木にのぼるという原始的な行動だけが
残るといい、子どもたちは自分から質問してくるようになる。
森にいくとストレスが減り、心が開かれるというのだ。
森林の癒し効果に何十年も前から着目するばかりでなく、
すでに実践していたのはもう敬服するしかない。
彼の本はまだ一冊も読んだことがないので、
そっちも読んでみたいと思うほど、勉強になった講演だった。